社会人になるための最初の一歩となる就活。情報収集や、ライバルに差をつけるために新聞を読んでおきたいという人は多いのではないでしょうか。
でもどの新聞を読めばいいか、どの部分を読めばいいかなど分からないこともたくさんありますよね。
そこでこの記事では就活での新聞活用方法とオススメの新聞について紹介します。
そもそも就活に新聞って必要?
新聞はいらないという人もいる
就活生であっても、新聞を読まないという人もいます。就活するからといって新聞を読む必要はないのでしょうか?
当然のことですが、新聞が就活に役立つかどうかは人によります。もともと持っている知識や経験だけで満足のいく結果を残せる人もいますし、新聞を購読したとしてもどんな読み方をしたか、継続して読めたか、それを面接など実際の就活にどう生かそうとしたかは大きな個人差があるでしょう。
そのため、「新聞は必要」とか「新聞は不要」というのはあくまで個人の意見だと捉えた方がいいと思います。
でも一般的にどれくらい新聞が重要視されてるものなのか知りたい…
調べてみると、新聞が重要な情報源だと考えている学生の割合は約58%だそうです。
就活の重要な情報源として「紙の新聞」をあげた学生は44.1%、「新聞社のニュースサイト(電子版含む)」(13.6%)と合わせて約58%にのぼりました。
出典:朝日学情ナビ『「就活に新聞」学生の44%…すぐ役立つ!新聞活用法教えます』
では、なぜ新聞が必要だと考える人が多いのでしょうか?
新聞を読むメリット
ここでは就活生が新聞を読むメリットについて紹介します。
日本経済の情勢や業界動向がわかる
新聞を読むと、日本経済や世界経済の動きがわかります。もちろん、新聞を読まない人でも以下のようにざっくりとした景況感は分かると思います。
でも新聞を読んでいると、もう少し詳しいことがわかります。
このように、より詳細に経済や業界の動きがわかるようになるのです。こうした情勢を把握していると、就活する上で無数にある選択肢を吟味するとき、良い判断材料になると思います。経済や業界のことを理解しておくのは社会人になってからも非常に大切なことなので、今やっておいて損はないはずです。
企業研究がはかどる
また、上記の例のように業界の動向や各企業の好不調がわかってくると、自分がどの業界を選ぶべきか、どの企業に行けばやりたいことができそうか、将来性があるかなど、自分の志望業界や志望企業に対する考え方が定まってくるはずです。
個人的な見解ですが、実は新聞を読むことは就活に対して合否を分けるという意味で必要なのではなく、自分の考えをまとめるという意味で大きな重要性を持つと考えています。
これは企業研究や業界研究と通じるところがあります。自分が興味のある業界にどんな動きがあり、業界内の各企業にどのような強み・弱みがあるのかというのは、新聞記事を読むことでかなり情報収集できます。
日経新聞とかだと、企業業績等の経済情報はかなり詳しく書かれているからね
新聞に登場する企業の記事を読んでいると、
などもわかります。こうした情報を整理していくと、企業研究がやりやすくなるのです。
また、業績に関しては普段見慣れない売上高や営業利益、純利益、ROEなどの決算用語や専門用語も学べるので、今後の社会人生活にも役立ちますね。
面接で有利になる?
企業や業界のことを把握するために新聞記事を読み込むと、副産物として「社会人とのビジネス関係の会話がしやすい」というメリットが生まれます。会社の人間としても必要なことを理解してくれている学生の方が話は通じやすいので、会話が弾みやすいです。
それが合否判定に対して有利になるかは断言できませんが、「面接のときに時事問題や気になるニュースを聞かれる」というのはよく言われていますね。私は就活のときに時事問題について聞かれたことはありませんでしたが、周囲では実際に質問されたという話もよく聞きます。このあたりは志望する業界によっても変わるかもしれません。ただ、いざというときのために準備をしておくのは大切だと思います。
就活生だと新聞が安く読める
また、就活割といって、学生限定で新聞の購読料を安くしている場合もあります。有名なのは朝日新聞ですね。朝日新聞では就活生向けコースというのがあり、通常よりも1000~2000円程度安く購読できるサービスがあります。ほぼ半額になるので、新聞購読を始める敷居は下がると思います。
新聞の活用方法
いつから読み始める?
就活で新聞を読み始める時期についての質問はよくありますが、正解はありません。新聞を読む目的と、どの程度情報収集をするのかによります。例えば新聞を読んで企業研究をするつもりなら数カ月くらい時間をかけたほうが良いですし、業界を絞らず広く考えているならもっと長いかもしれません。ただしそれも、どれくらい時間をかけられるによって変動します。
いずれにせよ、思い立ったらなるべく早めに動いた方が良いのは確かです。
新聞のどこを読めばいい?
新聞の読み方は人それぞれかもしれませんが、時間をかけられない、全部は読めないという人もいるでしょう。そのような場合、どこを優先的に読めば良いのでしょうか?
まずは「一面」「総合」「社会」などを読むと最近世の中で起きている出来事が掲載されているので、タイムリーなニュースを押さえることができます。ただ、就活生にオススメしたいのは「経済」「企業・投資情報・金融情報」を読むことです。また、「コラム」「社説」も読んでみると面白いと思います。
経済
経済面は日本や世界の景気動向に関連する記事が多いです。経済政策やその影響、それを受けての金融機関の動向、今後発展しそうなビジネスやサービスなどが説明され、経済の流れを伝えています。経済面を読むと、現在はどのような経済状況なのか、停滞しているのならその要因は何か、また今後どの分野にお金が使われるかなど世の中のお金の動きを知ることができます。
企業・投資情報・金融情報
業界および各企業の動向が一番わかる紙面です。四半期など定期的に行われる決算発表時期には、各企業の業績を知ることができます(決算発表以外でもわかりますが)。
今期の売上高や営業利益を見るほか、それらの数字の過去に対する伸び、業績を上げている事業、その事業が世の中のトレンドに合わせてどう変化していくかに注目してください。こうした細かな指標を同一業界で比較すれば、各企業の強みや好不調、業界内での位置づけががわかってきます。また、株価の反応などから、市場や投資家がその企業をどう評価しているかも知ることができます。
コラム
一面の隅に載っていることが多いです。朝日新聞なら「天声人語」が有名ですね。コラムでは筆者個人が、最近のニュースや出来事に関する意見や主張を述べています。短い文章にまとめられているので読みやすいのと、各ニュースに対して事実だけで完結せず主張があるので、「この出来事に対してこう考えている人がいるのか」と色々勉強になります。
社説
社説は時事問題に対する論説記事であり、やはり意見や主張が述べられています。コラムは筆者個人の意見という側面が強いですが、社説はその新聞社全体の見解として掲載されていると考えて良いです。そのこともあり、社説は購読している新聞によって方向性や論調が最も変わる部分です。その新聞がもともとどんな傾向なのかを把握しておいても良いかもしれませんね。
就活生におすすめの新聞
おすすめはズバリ2つ
①圧倒的に安いのは朝日新聞
就活生にオススメしたい新聞のひとつ目は朝日新聞です。朝日新聞は就活割を使うと半額近くまで安くなるので、圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。
通常価格と就活割を比較すると、以下のようになります。
朝日新聞デジタル 就活割コース | 朝日新聞 学割コース | 学割+キャンペーン ダブルコース | |
---|---|---|---|
通常価格 | 3,800円 | 4,037円 | 5,037円 |
割引後価格 | 2,000円 | 2,500円 | 3,000円 |
条件 | 大学生・短大生・ 専門学校生など 就活を控えた学生 | 一人暮らし (寮を含む) の学生 | 一人暮らし (寮を含む) の学生 |
就活生に必要な情報を低価格で提供するのが朝日新聞のウリなので、新聞を読もうか迷っている人や、とりあえず何か始めてみたいという就活生にはピッタリだと思います。
ちなみに朝日新聞は比較的上級なイメージがあり、読者層の大卒以上の割合や平均世帯年収が日経新聞に次いで2位だという調査結果があります。
「受験の朝日」と呼ばれるほど、受験生にも読まれているね
また、五大新聞と呼ばれる大手の新聞各紙と比べると論調は革新よりで、強大な組織にも忖度せず、権力に屈しない姿勢が人気を集めています。
なお五大新聞の各紙の特徴については、以下の記事で詳細に説明していますので、新聞ごとの論調や特性を比較してみるのも良いと思います。
②企業情報を読み込むなら日経新聞
朝夕刊 セット | 統合版 (朝刊のみ) | 電子版 | |
---|---|---|---|
日経新聞 | 4,900円 | 4,000円 | 4,200円 |
就活生が新聞から得るべき情報といえば、各種業界・企業の業績を中心とした経済関連情報です。新聞を読むことで業界研究や企業研究に役立てたいなら、日経新聞は最もオススメです。
五大新聞の中で言えば、日経新聞における経済情報の充実度は突出しています。そのためビジネスマンに好んで読まれており、社会人が就活生にオススメする新聞の定番といっても過言ではありません。
社会人の中には日経新聞と読売、日経新聞と朝日、のように二紙読む人もいるんだよ
二紙読む人の多くは、片方が日経新聞なんだね
経済紙としては替えのきかない新聞だからね
ちなみに私が就活したときには、朝日新聞と日経新聞を読んでいました。実家で購読していたのが朝日新聞だったのですが、就活を機に日経新聞を読み始めました。当時学生の私から見ても、日経新聞だと企業情報の充実度が全く違うことがわかり、就活にも役立ったと感じています。
なお、それ以来ずっと日経新聞を読んでいますが、実は日経新聞には無料で読める裏ワザがあります。学生の場合だとちょっとハードルが高いかもしれませんが、以下で紹介していますので参考にしてみてください。
紙か電子版か
では仮に新聞購読をする場合、紙と電子版、どちらで読むべきでしょうか?
紙の場合は圧倒的に一覧性が良い
紙だとひと目見ただけでどんな記事があるのかが分かりやすく、一覧性が良いです。また、各記事の見出しの大きさや記事の長さが即座に分かり、各記事の重要度も非常に分かりやすいです。その結果、短時間で読みやすいというのが大きなメリットです。
ただし携帯性や、広げて読むために場所を選ぶ必要があるところが難点です。また、電子版に比べると価格が高い傾向があります。
電子版は場所を選ばずに読める
電子版のメリット・デメリットは紙の場合と逆になります。電子版であればスマホで場所を選ばず読むことができ、携帯性が非常に良いです。そのため通学中の電車など、移動中にも読みやすいというのが大きな利点です。
一方で一覧性は紙には敵わないので、どんな大きさのどんな記事があるかを把握するのに、ひと目ですぐにというわけにはいかず、読む時間は紙より長くなるかもしれません。
ただ、個人的には電子版がオススメです。やはりスマホなどの端末で購読できる利便性は紙の新聞にはなく、しかも電子版の方が安いので、同じ内容をお得に読むことができます。
補足 就活割コースの申し込み方法
ここでは補足として、朝日新聞の就活割コースへの申し込み方法について解説しておきます。やり方は簡単で、以下の通りになります。
- STEP1公式ページにアクセスして、ログインIDを登録する
上記ページで「お申し込みはこちら」ボタンを押し、「新規お申込み手続きへ」ボタンを押します
- STEP2メールアドレスを入力する
メールアドレスを入力して「送信する」ボタンを押します
ここで入力したメールアドレスがログインIDとなります
- STEP3登録用URLにアクセスする
入力したメールアドレス宛に、朝日新聞デジタルから「ご登録用URLのお知らせ」というメールが届きます。URLをクリックして、登録用のページにアクセスしましょう。
- STEP4必要事項を入力する
住所・氏名・生年月日などを登録します。
このとき、学校区分(大学院文系/大学院理系/大学文系/大学理系/短大/高専/専門学校/その他)、学校名、学籍番号、学年・卒業予定時期、志望業界などの情報を入力します。
- ラベル申し込み完了
まとめ
就活での新聞活用方法とオススメの新聞について紹介させて頂きました。本記事をまとめると以下のようになります。
- なぜ就活で新聞を読むのか?
- 新聞を読むと経済や業界の動きがわかり、業界研究がやりやすい
- これらを把握すると、就活での選択肢を吟味するとき判断材料になる
- 新聞は、自分の考えをまとめるという意味で大きな重要性を持つ
- オススメの新聞と活用方法
- おすすめは朝日新聞と日経新聞
- 朝日新聞は就活割があり、圧倒的に安い
- 日経新聞は経済情報・企業情報が充実
- 「経済」「企業・投資情報・金融情報」を優先的に読むと良い
就活のやり方は人それぞれです。新聞の読み方や活用方法、就活への生かし方もひとつではありません。自分なりに考え、行動することで可能性が広がると思います。ぜひ自分自身の就活を成功させてください。