子供新聞といえば、小学生の学習や中学受験などでその効果が注目されています。せっかく毎月お金を払って購読するなら、後悔ない選択をしたいですよね。
ただ、どれを選べばいいのか、各子供新聞の違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、子供新聞各紙を徹底比較し、目的に合わせてどの子供新聞を選ぶべきかを解説します。
子供新聞は3紙の中から選べば良い
実は全国紙の子供新聞は、以下の3つしかありません。
- 読売KODOMO新聞
- 朝日小学生新聞
- 毎日小学生新聞
地方紙だと他にもあるのですが、この3紙から選ぶ人が大多数と思われます。以下では、料金や特徴、学習コーナー等、各種項目について比較していきます。
料金など基本項目の比較
まずは、読売KODOMO新聞、朝日小学生新聞、毎日小学生新聞の基本的な項目から比較してみましょう。
読売 | 朝日 | 毎日 | |
---|---|---|---|
発行頻度 | 毎週木曜日 (週刊) | 毎日 (日刊) | 毎日 (日刊) |
ページ数 | 20ページ | 8ページ | 8ページ (土日は12ページ) |
サイズ | タブロイド判 (406mm ×287mm) ※一般的な新聞の半分 | ブランケット判 (545mm ×406mm) ※一般的な新聞と同サイズ | タブロイド判 (406mm ×287mm) ※一般的な新聞の半分 |
料金 | 550円 | 1769円 | 1430円 |
子供新聞のサイズは、朝日小学生新聞のみが一般的な新聞と同じブランケット判、読売KODOMO新聞と毎日小学生新聞はその半分のサイズのタブロイド判となっています。
小さい方が読みやすいのかな?
手にとって読むならそうかもね。ただ、大人と同じサイズを欲しがる子供もいるよ!
読売だけ週刊、朝日・毎日は日刊
新聞といえば毎日配達されるイメージですよね。しかし子供新聞は全てがそうとは限りません。朝日小学生新聞と毎日小学生新聞は日刊で毎日配達されますが、読売KODOMO新聞は週刊であり、週1回の配達となります。
週一回しか来ないんじゃ損じゃない?
その分ページ数が多いのと、価格が安くなってるんだよ
朝日小学生新聞と毎日小学生新聞は基本的に8ページです(毎日小学生新聞は土日12ページ)が、読売KODOMO新聞は20ページとなっています。
日刊で毎日配達された方が情報量は多くなります。ただ、子供の性格によっては毎日だと飽きてしまったり溜め込んでしまうこともあるので、どちらが合うかは人によって違うでしょう。
料金は読売KODOMO新聞が最安
日刊/週刊の差やページ数の違いがある分、料金にもそれぞれ違いがあります。一番安いのは読売KODOMO新聞で550円となっています。
これくらいの価格であれば手を出しやすいので、試しに読売KODOMO新聞から購読してみるという人も結構います。
朝日が1769円で読売が550円だから、かなり価格差があるんだね
価格差は3倍以上だね。毎月の料金を減らせると固定費削減になるから節約効果が大きいよ
逆に一番高いのは朝日小学生新聞です。後で説明しますが朝日小学生新聞は受験に対する意識が強く、学習コンテンツも多くなっています。子供新聞ではない通常の新聞でも、朝日新聞は「ちょっと上級」というイメージがあります。子供新聞に関してもこれらの新聞のカラーが受け継がれているようですね。
構成の比較
次に各子供新聞の構成を比較してみます。実は子供新聞によっては結構なスペースの広告欄があります。そこでまず記事本体と広告の比率を表したのが上のグラフ、そこから広告を除いて、記事本体だけの構成比を表したのが下のグラフです。※なお特定の紙面から算出しているだけので、比率はあくまで大体の数値だと考えて下さい。
朝日小学生新聞は広告が多めなんだね
広告内容としては進学塾や模試など、中学受験に関連するものが多いよ
構成比率から各紙の特徴をざっくりまとめると以下のようになります。
- 読売KODOMO新聞→エンタメ、特集など楽しませる系が多い
- 朝日小学生新聞→学習とマンガ(ほとんどが学習マンガ)など、勉強系が多い。また、広告も多い。
- 毎日小学生新聞→時事ニュースが多い
この構成比較は、各紙の方向性を示す結果になっていると思います。特に読売は大衆向けでエンタメが充実、朝日は上級で受験向き、毎日は真面目でニュース多めと考えると、子供新聞でない普通の新聞のイメージとも大体一致すると言えるでしょう。
学習コーナーの比較
有名進学塾とのコラボ
各子供新聞の学習コーナーの中には、有名進学塾と共同で作成されているものがあります。3紙ともこの手の共同企画を持っていて、協力先としては以下の通りです。
- 読売KODOMO新聞→四谷大塚
- 朝日小学生新聞→SAPIX
- 毎日小学生新聞→日能研
王道の有名進学塾ばかりだね
四谷大塚による中学入試の解説(読売KODOMO新聞)
読売KODOMO新聞には「とけるかな?」や「そうか!わかったぞ!」というコーナーがあり、これらを四谷大塚が監修しています。
「とけるかな?」は中学入試の過去問題と解説、「そうか!わかったぞ!」は、国算理社の豆知識的なコラムを掲載しています。
以下の記事でも説明しましたが、四谷大塚はテキストが分かりやすいことで知られており、読売KODOMO新聞の紙面でも子供にとって読みやすい解説がなされています。
SAPIXのエコのとびらで理社が好きになる(朝日小学生新聞)
朝日小学生新聞には、「エコのとびら」というSAPIXの連載マンガがあります。これは入試問題を解くなどといった実践的なものではなく、水質の汚染や自然災害などやや身近なところから始めて、地球環境やSDGsについて学んでいくような内容になっています。
SDGsってなに?
地球環境の悪化とか貧困などへの危機感から作られた、各国が2030年までに目指す目標のことだよ
なお朝日小学生新聞はいち早くSDGsをコーナー化していたり、新しい時流に乗ることへの意識が高い印象があります。
また、「理科と社会が好きになる」というのはこの漫画のタイトルの一部でもあり、理科や社会という教科にも興味を持てるよう、工夫して作られています。
日能研監修の入試問題コーナー(毎日小学生新聞)
毎日小学生新聞は、日能研との共同企画です。模試や入試の問題を抜粋しています。中学受験の本番でどのような問題が出題されるのかを意識しながら、実践的な学習を行うことができます。
日能研といえばNのバッグだね
ちなみに無理なく生徒を伸ばしたり、難関校を目指す子にもそうでない子にもオススメできるのが日能研の特徴だよ
その他
なお、朝日小学生新聞ではSAPIXに限らず、各進学塾を念頭において、どのように塾を選ぶべきかという情報も掲載しています。
これは「朝小 進学情報室」というコーナーで、進学塾の情報の他、教科ごとの勉強方法や受験生がやるべきことなどを教えてくれます。
進学塾との共同企画は朝日だけが実践問題じゃないけど、その分進学塾の情報に関するコーナーがあるんだね
学習面の得意分野の比較
学習コーナーはどの子供新聞にもありますが、力を入れているところやその充実度には差があります。そこで、各子供新聞の得意分野を比較してみましょう。
読売KODOMO新聞は受験専用の別冊新聞が届く
読売KODOMO新聞は、受験シーズンになると中学受験に特化した別冊の新聞が届きます。この別冊版には有名中学校の過去の入試問題が掲載されており、やはり四谷大塚が分かりやすい解説をつけてくれています。
またその他の得意分野でいうと、読売KODOMO新聞は学習まんがが充実しているように思います。マンガなどで子供の興味を引きつつ、学習内容を自然と読んでもらうのがうまいです。
朝日小学生新聞は記述対策も充実
朝日小学生新聞は全体的に受験が意識されていますが、記述対策まで充実しているというのが強みです。記述力アップ講座というコーナーもありますし、天声こども語を使った学習も推奨されています。
天声こども語って何?天声人語じゃないの?
天声人語は通常の朝日新聞の有名コラムだね。そのこども版が、朝日小学生新聞に載っている「天声こども語」だよ
「天声こども語」は、書き写し学習や要約作業によって記述力や読解力を向上させられるので、朝日小学生新聞がオススメしているコーナーでもあります。天声こども語を用いた勉強方法や効果については以下で詳しく説明しています。
またその他にも、学校ごとに特徴のある公立中高一貫校の適性検査のための専用コーナーや、時事問題対策を意識した時事ニュースを掲載しており、中学受験生のための情報をオールマイティに載せている印象です。
もちろん有名中学の過去の入試問題も掲載してるよ
毎日小学生新聞はニュース推し
毎日小学生新聞で受験の色が強いのは、上で紹介した日能研監修の入試問題コーナーです。それ以外は受験に特化したコーナーが少ない印象で、全体的に真正面からニュースを伝えているのが毎日小学生新聞の特徴です。
毎日小学生新聞のイメージは「実直」だね
そのため、比較的時事ニュースに触れることが多くなり、入試問題における時事問題に対して自然と対策ができるというのが毎日小学生新聞の強みかと思います。
マンガやキャラクターの比較
子供新聞にはテレビ等で人気のキャラクターが登場したり、ニュースに絡めたマンガが掲載されていたりします。実際に読むのは子供たちなので、好きなキャラクターがいれば読みたいという意欲にもつながるし、マンガも新聞を手に取りやすくなるのでキッカケとしては重要なポイントになり得ます。
そこで各子供新聞に登場するキャラクターや連載マンガを比較したものが以下の表になります。
読売 | 朝日 | 毎日 | |
---|---|---|---|
主なキャラクター | ・名探偵コナン ・ポケモン | ・落第忍者乱太郎(連載終了) | ・特になし |
連載マンガ | ・ニュース探偵コナン | ・はずんで!パパモッコ ・歴史まんが ・科学漫画サバイバル | ・論語くん ・アフリカ少年 |
コナンが人気の読売KODOMO新聞
読売KODOMO新聞には名探偵コナンが登場します。ニュース探偵コナンという連載マンガで、少年探偵団や阿笠博士をはじめとする人気キャラクターが出てきます。内容は最近話題になっている時事ワードの解説なのですが、コナンらしくミステリー仕立てになっており、ストーリーの中で登場する時事ワードを自然に学ぶことができます。
また、読売KODOMO新聞には名探偵コナンの他にもポケモンが登場します。ポケモンのキャラクターに関連づけて英単語を覚えるコーナーがあったり、プレゼントコーナーでポケモングッズが用意されていたりします。
読売KODOMO新聞は子供を楽しませるのがとても上手だね
学習マンガが好評な朝日小学生新聞
朝日小学生新聞のキャラクターとしては「落第忍者乱太郎」がいたのですが、連載が終了してしまったため今は登場していません。
ちなみに落第忍者乱太郎は、アニメ 忍たま乱太郎の原作マンガだよ
朝日小学生新聞は、学習マンガの内容が充実しており高評価を受けています。例えば歴史まんがは日本の歴史について漫画を読みながら学習できる人気コーナーです。単行本として「日本の歴史 きのうのあしたは……」が出版されていますが、累計発行部数は30万部を超えるそうです。
また科学漫画サバイバルは主人公が科学分野(自然や災害、人体や生物、さらには宇宙、環境問題など)に関する危機に直面し、それを乗り越えるために知恵を絞って生き残り、冒険していくというストーリーになっています。実は子供達に大人気の漫画で、シリーズとして国内で900万部、世界で3000万部を超える発行部数になっています。
論語くんが注目されている毎日小学生新聞
毎日小学生新聞には、「論語くん」というマンガが連載されています。これは古代中国の思想家・孔子の残した「論語」を題材とし、1日1テーマを教えてくれる漫画です。日常にまつわる孔子の教えを扱いますが、マンガ自体はコメディタッチで描かれており、子供でも親しみやすく、読みやすいように工夫されています。実は毎日小学生新聞の人気No.1コンテンツになっています。
また、「アフリカ少年」というマンガもあります。これはカメルーン生まれの作者が日本に来て経験したことをもとに、二つの国を見て感じた気付きをマンガにして教えてくれるというものです。具体的にはアフリカの人は足が速いとか日本語ができないとか、周囲の思い込みに対する本人の気持ちを描いたり、先入観を覆すような内容になっています。
毎日小学生新聞のマンガは、エンタメとか学習に特化してない感じがするね
ここにも毎日のカラーが出ていて、道徳とかモラルを子供に伝える真面目なテーマになっているね
目的別のオススメ子供新聞
違いはなんとなくわかったけど、どうやって選べばいいの?
各子供新聞の特徴は結構違います。子供が好むものに合わせて選ぶべきですが、ざっくりと選ぶポイントをあげるとすれば以下のようになります。
- エンタメ性、コスパ重視
- →読売KODOMO新聞
- 学習、中学受験重視
- →朝日小学生新聞
- デジタルの利便性、ニュース重視
- →毎日小学生新聞
読売KODOMO新聞:エンタメ性、コスパ重視の人に
まず読売KODOMO新聞は、エンタメ性が強いです。マンガも面白くコナンやポケモンなどの人気キャラクターも登場するほか、頻繁にプレゼント企画を実施したり、ファッションのページもあったりして、子供にとって楽しめる内容が豊富です。
また、週刊にはなりますが550円/月という価格の優位性もあるので、コストパフォーマンスを重視する人におすすめです。
朝日小学生新聞:学習、受験重視の人に
朝日小学生新聞は中学受験重視の人におすすめです。朝日小学生新聞は全体的に受験を意識した構成になっており、天声こども語による記述対策や進学塾の情報があり、難関中学の合格者がよく読んでいるという実績もあって、受験生にうってつけの子供新聞です。
また、たとえ中学受験をしない場合でも人気の学習マンガをはじめ学習コンテンツが充実しているので、子供新聞を使って勉強したいという人にもおすすめです。
毎日小学生新聞:デジタルの利便性、ニュース重視の人に
実は子供新聞の中で、申し込みさえすれば条件なしでデジタル版を読むことができるのは毎日小学生新聞だけです。読売KODOMO新聞はデジタル版がなく、朝日小学生新聞は条件を満たさないとデジタル版が使えません。そのため、PCやスマホ、タブレットで電子版の子供新聞を読みたいという場合は毎日小学生新聞がおすすめです。
また、毎日小学生新聞の特徴としてニュースの割合が多いので、エンタメ系や学習系のコンテンツよりも普通に時事ニュースを読みたいという場合にもおすすめです。
まとめ
子供新聞の各項目の比較と、目的別の選び方について説明させて頂きました。本記事の全項目を比較表にしてまとめると、以下のようになります。
読売 | 朝日 | 毎日 | |
---|---|---|---|
発行頻度 | 毎週木曜日 (週刊) | 毎日 (日刊) | 毎日 (日刊) |
ページ数 | 20ページ | 8ページ | 8ページ (土日は12ページ) |
サイズ | タブロイド判 (406mm ×287mm) ※一般的な新聞の半分 | ブランケット判 (545mm ×406mm) ※一般的な新聞と同サイズ | タブロイド判 (406mm ×287mm) ※一般的な新聞の半分 |
料金 | 550円 | 1769円 | 1430円 |
構成 | エンタメ、特集など 楽しませる系が多い | 学習とマンガ (多くが学習マンガ) など、勉強系が多い。 また、広告も多い。 | 時事ニュース が多い |
進学塾との 共同企画 | 四谷大塚 | SAPIX | 日能研 |
学習面の 得意分野 | ・受験シーズンに別冊版 ・有名中学の過去問題 ・四谷大塚の解説が 分かりやすい | ・記述問題対策が充実 ・公立中高一貫校の 適性検査専用コーナー ・時事問題対策を 意識した時事ニュース | ・受験特化コーナー は少なめ ・自然に時事問題対策 |
主なキャラクター | ・名探偵コナン ・ポケモン | ・落第忍者乱太郎 (連載終了) | ・特になし |
連載マンガ | ・ニュース探偵コナン | ・はずんで!パパモッコ ・歴史まんが ・科学漫画サバイバル | ・論語くん ・アフリカ少年 |
おすすめの人 | エンタメ性、コスパ 重視の人 | 学習、中学受験 重視の人 | デジタルの利便性、 ニュース重視の人 |
なお、読売KODOMO新聞と朝日小学生新聞については以下で詳しく説明していますので参考にしてみてください。
小学生というのは環境次第で様々な知識を吸収できる、大事な時期です。子供のことを考えると、色んなことを試してあげたいですよね。あなたも是非この機会に子供新聞について検討してみてはいかがでしょうか。