「節約するなら、効果の大きい固定費を見直すべき」というのはよく耳にする話です。でも、なぜ固定費を削減すると効果が大きいのか知っていますか?
この記事では固定費削減の節約効果が圧倒的に高い理由を3つに分けて解説していきます。
【はじめに】固定費の削減って具体的には何?
家計の中で固定費としてあげられる費用には以下のものがあります。
- 住居費
- 保険料
- 通信費
- 光熱費
- 自動車関連費
こうした固定費について、よく「固定費を見直す」と言いますが、具体的に何をするのでしょうか。
各項目の削減方法の具体例を表にしてみると、以下のようになります。
費用 | 削減する方法 |
---|---|
住居費 | ・家賃の安い家に引っ越す ・住宅ローンを借り換える |
保険料 | ・目的に合った商品を選び直す ・不要な特約を外す |
通信費 | ・スマホの料金プランを変える ・スマホの契約会社を乗り換える |
光熱費 | ・電力会社を変更する ・ガス会社を変更する |
自動車関連費 | ・維持費の少ない車種に買い替える ・カーシェアを利用する |
住居費であれば住宅ローンを借り換えたり、通信費であればスマホの料金プランを変更したり、自動車関連費であれば思い切ってカーシェアに切り替えたり、という方法がありますね。
では、こうした固定費の削減が節約に効果的だといわれる理由は何でしょうか?
節約効果が圧倒的に高い理由
①効果が継続するから
変動費の場合は使った量が増えたり減ったりすれば、それに応じて料金も増減します。それに対して基本的に使用量に関係なく、毎月決まった額を支払うのが固定費です。そのため、固定費を一度見直して削減すると、毎月決まった額が確実に節約になり、しかもそれが長期間続くことになります。
その結果、毎月の額が小さかったとしても、1年、5年、10年と経つにつれ累計の節約額は非常に大きくなります。
例えばスマホの料金を見直して毎月1000円減らすことができたら、年間で1万2000円の削減になります。そのまま10年間経過したら節約額は12万円になり、実際にはさらに長いスパンで節約効果が続くはずです。このように、一度見直せば節約状態が継続するため、固定費の節約効果は大きいのです。
でも固定費の節約をちゃんと続けられるかな…?
継続しやすいのも固定費節約の特徴だよ
また、固定費は削減に成功した後はデメリットが少ないという特徴があります。変動費の節約は毎月のやりくりが必要なのですが、固定費の削減は手続きさえしてしまえばやることはありません。
しかも、実際に固定費を削減してみると実はそれまでの生活とあまり変わらず、無理したり我慢したりする必要もないことが多いです。だから、固定費削減による節約は継続しやすいのです。特に頑張る必要もないので、少ない労力で効率的に節約することができます。
そうすると、固定費削減の手続きを完了して放置するだけで、何もせずとも節約されていくことになります。つまり簡単に、自動的に貯金に結びついていくのです。
何もしなくてもいいならラクだね
固定費の削減はシンプルで簡単なので、気付いたときには驚くほど貯金額が大きくなっているのです。
ちなみに変動費だとそうはいきません。食費を思い浮かべるとわかりやすいですが、節約するたびにやりくりしたり、我慢したりする必要があります。結果として節約をやめてしまうこともあるかもしれません。
ちなみに、固定費を減らすのは企業の経営でも経費削減の常套手段になっています。利益を生み出しやすくするための手法として取り上げらることもあるので、それだけ優秀な節約方法であることが分かりますね。
②家計の支出に占める割合が大きいから
家計の支出に占める固定費の割合はどれくらいだと思いますか?
マネー研究所の記事によると、
黒字家計、赤字家計を比較してみると、貯蓄ができるような黒字家計の平均は固定費45%、流動費35%でした。残る20%が自然と貯蓄額になるという結果です。
出典:マネー研究所 「固定費と流動費 黒字家計に見る黄金比率」
一方、赤字家計の平均を見ると、固定費65%、流動費45%で、黒字家計との違いは明らかです。
出典:マネー研究所 「固定費と流動費 黒字家計に見る黄金比率」
とあります(※流動費=変動費です)。
つまり、固定費の割合は45%程度を目標とすべきで、赤字家計だと65%くらいになっている、という内容ですね。グラフにすると以下のようになります。
これを見ても分かりますが、家計の支出における固定費の割合は大きいです。特に家計が赤字であるなど節約が適切に行われていないと、固定費の割合はさらに大きくなります。
支出に占める割合が大きいので、固定費を削減すると大きな節約効果が生まれます。家計全体に対して割合が大きい箇所を削減した方が、大きな節約ができるのは当然ですよね。逆に割合が小さなものを節約しても、なかなか効果が出ません。
せっかく節約するなら、効果が出やすい方が嬉しいね
③支払い過ぎていることが多いから
私たちは固定費として毎月決まった額を支払うことで、何らかのサービスを受けています。
スマホも月額料金を払って、通話やデータ通信ができてるね
実は固定費は、支払う額を多少減らしたとしても、受けられるサービスの質が低下しにくいという特徴があります。
スマホは良い例で、格安SIMに乗り換えたとしても、通話やデータ通信という私たちが受けられるサービスは変わりません。もちろん、厳密には回線スピードや店舗でのサポートなどの違いはあるのですが、大事なことは「サービスの質の低下度合いに比べて節約できる額が大きい」ということです。
言い換えれば、わずかなサービスの質を上げるために料金を多めに支払うことになる、とも言えます。結果として、削減できるはずなのに節約していない固定費というのが発生しやすいんですね。そのため、固定費は必要以上に支払い過ぎてしまうケースが多くなります。
固定費って高いんだよね
あなたも支払い過ぎている固定費に心当たりはありませんか?本来削れるはずの固定費がたくさん見つかれば、それだけ節約の余地が残されているという意味です。つまり、固定費をターゲットにして節約することで、大きな節約効果をあげることができるのです。
固定費削減のすごさは分かったけど、何からやればいいのかわからないよ
簡単で効果的なのは、やっぱりスマホの料金だね
でもスマホは格安SIMにするのちょっと怖いからなぁ。。
貯金したいけど格安SIMに踏み切れない人は、無料の貸し出しサービスでお試しするのもアリだよ
まとめ
固定費を削減すると節約効果が高い理由について紹介させていただきました。本記事をまとめると以下のようになります。
固定費を削減すると節約効果が高い理由は3つある
- ①効果が継続するから
- 毎月決まった額が確実に節約される
- 一度見直せば節約状態が継続する
- 我慢する必要がなく、勝手に節約されていく
- ②家計の支出に占める割合が大きいから
- 赤字家計だと固定費は65%くらい
- 割合が大きい箇所を削減した方が大きな節約になる
- ③支払い過ぎていることが多いから
- 固定費を減らしても、受けられるサービスはあまり変わらない
- 節約の余地が残されていることが多い
あなたもこの機会に節約できる固定費がないか、改めて見直してみてはいかがでしょうか。